睡眠の基礎

睡眠のメカニズム

二つのメカニズム

ヒトの睡眠(眠気)は大きく二つのシステムで形作られています。

第一のシステムは、起きている間の疲労蓄積からくる「睡眠欲求」です。

睡眠欲求は起きている時間が長いほど強くなります。徹夜などで長時間起きていると、普段寝つきが悪い人でもすぐに眠っていまい、しかも深い眠りになることが多いと言われています。
一度、眠ると、この睡眠欲求は減少します。さらに(その人にとって)十分な時間たっぷりと眠ると睡眠欲求は消失すると言われています。

第二のメカニズムは「覚醒力」です。

覚醒力は体内時計から発信され、一日の決まった時刻に増大し、睡眠欲求に勝ることで人を目覚めさせます。
普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力は強くなり、その後、メラトニンという物質が分泌される頃(就床時刻の1~2時間前)、急速に低下します。
このために、私たちは食後の団欒の時など、すっきり目覚めていると思っていても、普段寝ている時刻あたりで急な眠気を感じるようになるのです。

あらゆる生体機能を活用

睡眠のメカニズムimage


体内時計は、睡眠と覚醒を調節するため、あらゆる機能を活用します。

例えば、日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がし、脳を冷やします(熱放散)。
そのため就床前の眠気が強くなる時間帯と、脳が急速に冷える時間は一致しています。
因みに赤ちゃんが寝入る前に手足が暖かくなるのは、この熱放散をしているためです。

この時ほぼ同時に、体内時計ホルモン=メラトニンの分泌が始まり眠りを誘います。

その他にも、様々な機能が連動しながら質の高い眠りのために作用しています。
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まり、脳の温度が自然に高くなり健やかな目覚めを迎えます。

体内時計ホルモン=メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します。静かに横になり、熱放散を促して、メラトニン分泌を妨げないよう、明るさを抑えた暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする機能を最大限に引き出すうえでも大切なことと言えます。


また、このような見方もあります。

睡眠は全ての動物にみられますが、その長さは様々です。
一般的に、コウモリやネズミなど、運動量が多く、体重当たりの消費カロリー数が大きい動物ほど睡眠時間が長い傾向があります。

このことから考えてみると、睡眠は起きている間に蓄積した疲労の回復と同時に、エネルギー節約のための、効率良い「休養」であるともいえるのです。
私たち人間も、体重当たりの消費カロリーが年齢とともに減少する傾向があります。このために睡眠時間、特に深い睡眠が年齢とともに減ることになるのです。

トップへ戻る