睡眠の基礎

睡眠の意義

私たちは、人生の約3分の1を眠って過ごすと言われます。睡眠は身近で欠かせない生活習慣であると同時に、健康な生活を営むための不可決な本能的活動とも言えます。

睡眠の役割は、疲労回復、ストレス解消、更には、身体の成長や、免疫力の向上、記憶の定着など多岐に及びます。
よく眠ることは、よく生きること。眠りは一日の終わりではなく、よりよい明日を過ごすための大切なアクションです。

とは言え、このサイトを訪れてくださる方の中には、眠れないことが気になる方も多いかと思います。

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先ず考えていただきたいのは、眠れないからといって、必要以上に神経質になることはないということです。
眠りの役割は色々ありますが、その一つに記憶の定着があります。最近では、悪い記憶になりそうなことが起こったとき、その悪い記憶を定着させないために、あえて自衛的に睡眠不足にするという見解もあるくらいです。

加えて8時間の睡眠が理想的と言われていましたが、睡眠時間は、人それぞれ。個人差に加え、季節、年齢などで変化するものと認識しましょう。要は日中に眠気で困らなければよいのです。
また早寝早起き=規則正しい習慣ともいわれていましたが、こちらも、決まった睡眠時刻に眠れないと悩むよりは、眠くなったら寝れば良いのです。ただ、起床時刻は毎日同じ時刻であることが理想的です。

そして目が覚めたら、たっぷりと陽の光を浴びて体内時計をリセットし、元気な一日を迎えて下さい。

減少する現代人の睡眠時間/増加する睡眠障害

質の高い眠りは心身の休養のために不可欠です。
しかし現代は、交代勤務や長時間の通勤、受験勉強のために睡眠時間をけずる、更には娯楽に熱中した結果として夜型になるケースなど、体内時計の変調を引き起こす要因であふれています。

加えて、単なる睡眠不足に留まらず、睡眠の病気=睡眠障害も増加の傾向にあると言われています。睡眠障害には数多くの種類があります。

眠れないと思ったら、先ずは快眠のための生活習慣改善などを試してみましょう。
それでも不眠や日中の眠気といった症状が1ヶ月以上続く時などは、何らかの睡眠障害の可能性を考えて下さい。

経済・社会生活への影響

睡眠不足や睡眠障害による休養の不足は私たちの心身に悪い影響をもたらします。
例えば、短時間睡眠や不眠が続いた場合、日中の強い眠気、作業能率・注意力の低下、抑うつなどが現れ、結果として人為的ミスの増加なども危惧されていいます。

過去の有名な例では、
●アラスカ沖での石油タンカー・バルディーズ号座礁による原油流出事故
見張り役の航海士が、睡眠不足のため、立ったまま居眠りしてしまい、座礁を警告する信号に気付かなかったのことが原因とされています。

●スペースシャトル・チャレンジャーの墜落
事故の直接的原因は、部品欠陥ですが、一説では、関係者の睡眠不足状態が、整備不良を見逃した一因とされています。

●スリーマイル島での原発事故
監視員が睡眠不足で注意力を欠き、炉心冷却水減少に気付かなかったことが一因とされています。

経済・社会生活への影響image

このような大事故は世界で幾つも知られています。

日本でも過酷な勤務条件による長距離ドライバーの居眠り運転や、睡眠時無呼吸症候群を患っている新幹線運転士の居眠りによる緊急停止事故などがありました。

このような問題によって生じる経済・社会的な損失は日米だけでも、年間数兆円に上ると試算もあります。

睡眠は休養に必須であると共に、記憶、気分調節、免疫機能増強など、さまざまな精神機能や身体機能に関連性があると考えられています。正しい睡眠をとることは、元気な日常生活を営むための基本であると言えるでしょう。

予防医学としての睡眠

睡眠障害は多くの精神疾患で、最もよく認められる症状の一つです。

これは、単なる合併症ではないことを理解しましょう。
例えば、うつ病では、諸症状に先駆けて不眠が出現する場合が多く、その発症や再発を予見する症状として注目されています。
また、長期間持続する不眠によって、うつ病へ罹患しやすくなることも知られています。

「たかが不眠」と放置することなく、適切な対応を心がけましょう。

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